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季節のお花を2のつく日に
もうすぐ結婚式を行うおふたりが、打ち合わせにやってきた。
会場は、吉祥寺の伝統ある教会。
やわらかい陽の光が差し込むあの講堂に、どんな花を活けようか。
花嫁のウェディングブーケは、上品なキャスケードブーケ。
バージンロードを見守るチェアフラワーはどんなのにしようか。
ちっちゃなリングガールのお花のクラウンは?
わくわく想像をふくらませて、私はその日を夢みるように思い描く。

新郎のお母様には、ムギハナは独立当時からお世話になっている。
移動式花屋を立ち上げたものの、仕入れのお金も厳しい日もあった日々に、
声をかけてくれたお客様のひとりだ。
毎月1回、おうち用のお花を届けて。売れ残った花でいいから。がんばってね。
定期の注文というのはとても有難くて、もちろんその時ある一番いい花を束ねて、お届けに通った。

お仕事を始めて、軌道にのるまでって大変よ。うちも、事業をやっていたからわかるわ。
でもね、がんばるのよ。あなた、腕はいいんだから。
大丈夫。

古くて大きい木のテーブルで、おいしいコーヒーを淹れてくれてその人は言った。
雨の日で、カーテンの向こうの庭ではその人が丹精した柏葉アジサイや白いバラがたくさん咲いていた。
なんてやさしい大きな気持ちで応援しているのかを改めて感じて、がんばらなきゃ、ともう一度思った。

おうちのお花、の注文は今も続いている。
上原にお店をだして、お客様も有難いことに増えてきて(ほんとにありがたい)
毎日お店にはたくさんの花が美しく咲いて出番をまっている。
それでも相変わらず、毎月2のつく日にはホリーはお店にあるなかで、一番きれいで一番あの人が好きそうな花をたっぷり束ねる。
白くて美しい香りのバラ、みずみずしいチューリップ、涼やかなカラー。。。
私は、あの木のテーブルにおいてもらえるような、小さなおまけの花束を作る。
季節を感じるスズラン、ヒヤシンス、パンジー。。。
相変わらずその人は、ホリーを「おにいさん」と呼び、
ホリーはそれに嬉しそうに答えてる。

私達は、足を向けて寝られない人がたくさんいるね。
ネコみたいに、まぁるくなって眠らなきゃいけないね。
これからも、毎日がんばろう。
あの人達の応援に応えられるような花を束ねなきゃ。ね。
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by mugi-hana | 2008-01-20 20:05 | mugihana日記
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