夕方、花を抱えて配達途中に。
商店街から一本路地に入ったところで、むこうから部活帰りらしき中学生の男の子が歩いてきた。
ふざけながら歩いてる彼らのうちのひとりが、ふとこちらを見て、ふにゃっと笑った。
こんなとこで会っちゃったよ、みたいな、照れてるみたいな、でもうれしい みたいな。
私が振り返ると、細い路地からエプロンをつけたおばあちゃんが歩いてきて
顔をしわくちゃにして笑って、その男の子に言った。
「おかえりぃ」
男の子は仲間に「おつー」と彼ら流に声をかけて別れると
嬉しそうにおばあちゃんに答えた。
「ただいまぁ」
なんでもない風景だったんだけど。